目次
身体づくりに体幹は必要なのか?
身体を変えるため、つくるためにトレーニングやスポーツを始めると”体幹”という言葉を耳にします。サッカー日本代表の長友選手が行っていた、体幹トレーニングも記憶に新しいと思います。
体幹とは、身体の中で両手と両脚をのぞいた部分を指します。主に胸筋や腹筋群、背筋群などを含む筋肉のことが含まれています。鍛え方には「プランク」などが一般的にあげられます。
身体を鍛えるには体幹を鍛えようという言葉を耳にしますが、私の考え方はすこし違います。体幹の前にやるべきことがある。まずは“腹圧”を高めようです。
身体を変えるには「腹圧」が必要
私の考える身体体づくりは、トレーニングの前に”基礎”となる関節の動き、腹圧を高めることが必要です。聞き慣れない言葉ですが、綺麗な人やアスリートの皆さんは腹圧が安定しています☆
で、腹圧ってなんなん。
腹圧とは、お腹内部の圧力のことです。主に呼吸や運動時において横隔膜、腹横筋、腹直筋などが連動して収縮し、腹部内の圧力を増加させることで生じます。
腹圧は変動しています。呼吸で例えると息を吸った際、横隔膜は下にある腹腔と呼ばれる内臓の膜を押し出します。この動きにより、腹圧は高まっています。
反対に息を呼く際には、横隔膜は縮んでいき腹腔は戻っていきます。この動きで腹圧は低くなっていきます。私の肌感覚ですが、日本人はこの腹圧が低い状態にあり、高める力が弱いです…。
腹圧は身体にどんな影響を及ぼすのか?
腹圧の状態は姿勢や見た目に大きく影響しています。下記の写真をご覧ください。
彼女は30代女性です。左の写真は初回に撮影しました。腹圧が低い(抜けて)状態です。姿勢は後ろ重心でバランスを取っていました…。以下、腹圧が低い=抜けていると表記します。
2年間で腹圧が高い状態をつくって頂きました。胸部に厚みができ、下半身は引き締まり、お尻も上がっています。姿勢も前重心で、動ける美しい状態に変化していきました☆
腹圧は身体を動かす方には絶対必要
腹圧を適切にすることで体内の安定性が高まります。背骨や関節にかかる負荷を分散し、怪我のリスクを低減させることができます!身体を効率良く、動かすことが可能になります。
腹圧の低いままでは怪我のリスクは高まり、力の伝達不足により効率が悪くなります。つまりパフォーマンスが発揮されない身体のまま、スポーツや筋力トレーニングを始めることになります(T . T)
ヒトの身体を気球に例えて、腹圧のイメージを掴もう!
身体の圧力が高められず安定しない人は、いくら鍛えても、仕事で動かしても上半身を厚くすることができません。そのため、下半身のみ肉付きが良くなります(◎_◎;)
下半身だけが太くなる仕組みを、気球に例えて説明します。
腹圧が抜けている状態
腹圧が抜けている状態なので、風船の重みで地面に落ちています。胸部が下に落ち、上半身の重みがのし掛かることで、お尻は下がります。姿勢も猫背になり、後ろ重心になっています。
腹圧が高く、安定した状態
腹圧が高くなることで、風船は上がり空に浮かびます。胸部は上がり、上半身が持ち上がることでお尻も上がります。前重心になり、猫背は目立たなく自信が伝わる姿勢になります。
気球は熱によって圧を高め、浮かび上がります。人は息を吸うことによって、腹圧が高まります。しかし、息を吸い続けることはできません(T . T)
もうひとつ腹圧の高まりに必要になってくるのが張力(ちょうりょく)です!気球の熱ではなく、風船自体をピンと張らせるような役割があります。
腹圧を高めるには「張力」
張力とは、適切なバランスです。片方の力が強すぎるとバランスは崩れます。つまり上が弱ければ、下は強くなります。上半身がしぼむのは、上がバランスで負けています。
張力のバランスを適切に保つことで、上半身の腹圧が高まり、下半身の支えが楽になります。重りを支える必要のない下半身は、綺麗な形の骨盤になります。当然お尻は上がり、脚は美脚になります☆
張力は伸ばすことで生まれる
張力を生むにはテンションが大事です。例えば人は立つことで、身体を起こしておくテンション「ちから」を働かせます。このテンションを抜くと、立てなくなります。
腹圧が低いということは、テンションが適切ではなく抜けている。つまり身体のどこかで、滞っていることになります。だとしたら、テンションを戻していくのは難しくありません。
身体を遠くに伸ばすことで適切なテンションがかかり、張力が生まれます。例えば手を伸ばす動作では、肩が上がらないように注意しながら指先を遠くに伸ばしていきます。
肩を回す動作では、肘先を遠くに伸ばすように意識して行う。四肢を身体の中心から離していく意識で行なっていきます。くどいようですが、張力は伸ばすことで生まれます。
整体は適切な張力をつくる
腹圧を適切することは、体内の安定性を高め、背骨や関節にかかる負荷を分散します。逆に考えると、背骨の配列や各関節の位置、可動域が上がることで腹圧は高まり安定していきます!
腹圧の高まりや安定性こそが整体の効果であり、お客さんが肌で感じられる要素でもあります。整えるのではなく、張力を引き出す。自分で行うことが難しい人は、整体も試してみてください☆
最後に体幹の役割は、動きの向上
体幹は、主に姿勢の維持や動作の安定性を保つための役割を果たしています。体幹の強化は、日常生活の動作やスポーツなどでのパフォーマンス向上に関連します。
建築で例えるならば腹圧は基礎となる「土台」です。体幹は、土台の上に積み重ねていくのもだと私は考えています。どちらも必要です、体を変えるには順番が大切です。
まとめ
身体をつくる、変えるには腹圧から体幹へと順番がある。
腹圧を高めることから、始める。
腹圧は張力が大事。四肢を遠くに伸ばすことで生まれる。
体幹は土台の上に、重ねて積み上げていくもの。
まとめてみても聞きなれない言葉も多く、1回で理解できないかもしれません。読んだ後に先ずは、各部位を遠くに伸ばすことからやってみてください。
上半身を伸ばすと、肩の位置が変わります。下半身では脚のつき方が変わります。少しでも変化が出れば、すでに張力が適切に働き出している証拠です(^○^)